現在、腫瘍の発病率が突然高まった理由
2010-06-23理由は実際、非常に簡単なものです。人の寿命が最近、突然大幅に延長されたためです。1949年、中国人の平均寿命は35歳でした。フランス人の平均寿命も100年ちょっと前までは約40歳でし。
最近、イギリスの「Nature」誌においてある統計が発表されました。それは男女別及び年齢別の腫瘍の発病率(10万人毎)で、下記の図のとおりです。30~40歳の発病率が80~90歳の10分の1以下であることが明らかです。つまり、生きている時間が長ければ長いほど、遺伝子の突発変異が発生する確率も高くなり、腫瘍を患う確率も高くなります。現代医学の進歩により、平均寿命は数十歳も延びており、よって腫瘍の発病も10倍以上増加しています。
またもう1つの特に顕著な特徴は、男性の腫瘍発病率が女性のほぼ2倍であるという点です。これは、女性所のもつ遺伝子は全て2つのコピーである一方、男性は1,000以上の遺伝子が1つであるためです。1つの遺伝子は容易に破壊され、各種疾病となり、特に腫瘍が多く発生する原因となります。
意外なことは、90歳以上で腫瘍の発病率は急速に降下し、110歳での発病率は40歳の水準に戻ることです。これは恐らく年を重ねることで身体が衰退し、ホルモンの水準が降下することにより細胞に強力な生命力が失われ、癌細胞も生命力を失うためです。しかし、人に平均寿命が増加を続けるに伴い、この曲線も右に移動しています。
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