何故、我々は健康である必要があるのでしょうか？

人々は皆、健康に生活したいと考えます。大多数の人々が、疾病がもたらす苦痛を味わいたくない、と考えます。しかし、一体何故健康でなければならないのか、と真剣に考える機会は非常に少ないものです。宜しければ、まず根本的にこの問題を探求していきましょう。一体、健康とは何なのでしょうか？「健康」という２つの漢字において、「健」は「丈夫な身体」という意味を、一方、「康」は「安らか」という意味をもちます。このため、「健康」という字面は、「丈夫な身体で病気をしない」ということを意味します。「健」、すなわち丈夫で気力がある身体は、種が残酷な生存競争を勝ち抜くための一つの必須条件です。動物の世界において、丈夫な身体をもったオスは種族のメスと交配する権利を獲得することができます。よって、丈夫な身体はより多くの子孫を残せることも意味しています。

現在、人類はすでに知力で主導する社会にまで進化しました。しかし、企業において社員を採用する際、知力的条件がまったく同じ候補者（同じ大学を卒業し、同じ専業水準を有する）がいた場合、外見を考慮しないのであれば、採用部門は往々にして身体が丈夫そうな方をためらいなく選択します。我々はこのような状況にいたるところで遭遇します。身体が丈夫な人は、病気になって休むことが少なく、残業をしたり徹夜することができ、作業効率も高く、会社に多くの利益をもたらすことができるからです。よって、我々人類社会において、「健」は生存競争の一つの重要な能力であり、おおくの業界において、丈夫な身体への要求が知力より重要とされています（例、スポーツ業界、軍人など）。パートナー選択時も同じです。同一条件において、丈夫な身体をもつ一方が必ず異性の好意を容易に引き付けます。では、丈夫になることが健康なのでしょうか？これは完全に同じことではありません。丈夫が突出するのは「健」という一面であり、丈夫であるからといって、病気にならないわけではありません。外見が丈夫そうで、気力のある人が、身体に多くの表面からは見ることができない病、例えば心臓が悪かったり、関節炎であったり、B型肝炎などを抱えていることもあります。

中国社会の発展に伴い、仕事のプレッシャーはどんどん増しており、生活リズムもより緊迫しています。多くの外見上、丈夫そうな人が仕事上の緊迫から突然、この世を去っています。また、通常病気になるというのは、自分が苦しむというだけの問題ではありません。これは、作業効率が低下することにより、生存競争で劣勢となることも意味します。つまり、「健（丈夫な身体）」の人が必ずしも「康（安らか）」であるとは限りません。「健（丈夫な身体）」があるだけで、「康（安らか）」がなければ、これも生存競争において優勢を失います。そのため、より良い生存のために、また自己の子孫繁栄のために、「健（丈夫な身体）」も「康（安らか）」も必要なのです。よって、人々は皆、健康を追求するのです。健康と長寿は、双子の兄弟のようなものです。我々はよく、寿命が短くても楽しく生きることができればそれで良い、という台詞を耳にします。もちろん、生活クオリティの追及の一種の表現であり、肯定する価値があります。しかし実際は、大部分の人がその生命の最後において、強烈な生への願望が生まれ、常に寿命の長さは関係ないと言っていた人々が、最終的にはあと一体何日生きることができるのだろうと考えるようになります。その時の感覚では、一日一日が非常に素晴らしいものに感じられます。

秦始皇がこの世を去る時、何か遺憾なことがあるとすれば、もっと長生きしたいことだとして、徐福に命じて3,000人の子供たちを蓬莱へ派遣し、食べれば不老不死となると言われる仙人の薬を探させました。西洋の文明史の中でも不老不死への憧れが氾濫しています。例えば、聖書の中にはエデンの園には生命の実があり、食べれば不老不死となることが描かれています。では、長寿は一体、人類の生存にどのようなメリットがあるのでしょうか？実は、根底にあるのは子孫繁栄に有利である、ということです。年長の意味するものはより多くの経験の累積です。よって、部落の酋長は皆、年長者がなります。部落のリーダーには智慧が体力より重要とされます。疑いの余地なく、年長の酋長は他の人より多くの子孫を有しています。酋長は部落のメンバーに遺伝子が優秀であると認めらているからです。よって、より多くの子孫を残したいとされるのです。この意義から、「長寿」と「子孫繁栄」はほぼ同等の価値を有します。この観点から、我々は何故、中年男性が若い女性から好意をもたれるのかがわかります。彼らの遺伝子が優秀かどうかは、すでに時間を経て証明されているからです。我々は実際、世の中には不老不死の薬など存在しないことを知っています。長寿は健康の基礎です。つまり、長寿になるためには必ず健康が必要なのです。